「私は……拓海先輩の太陽になれているんでしょうか」

美葉さんが望んだように、私がそうなりたいと望んだ姿に。改めて託されたモノの重さに気づいて、心配になった私は拓海先輩に尋ねる。

「さっき言っただろう、2度は言わん」

「な、なんですか、拓海先輩のケチ!」

なのに、拓海先輩は今日も私に甘くない。

「煩い、傍で騒ぐな」

「この、ブリザード男!」

「ブリザード……フンッ、それなら望み通り、ここに凍り付けにして置いて帰ってやる」

珍しく笑ったかと思えば、鼻で笑って。
相変わらずこの人は冷たい人だ。

──だけど、拓海先輩。

拓海先輩と過ごした時間はどれも宝石のように輝いていて、お母さんが仕組んだ運命が無くたって、私は拓海先輩と出会っていたし、傍にいましたよ、きっと。私は歩き出した拓海先輩の横顔を見上げて、そう思う。

出会わせてくれた美葉さんの運命に感謝を。そして、これから拓海先輩と歩む未来は私が自らが望む運命だ。