「憶測だが、母さんはいつの日か、クラウンがお前を見つけ出し、俺達が出会うように仕組んだんじゃないか?」
「ひえぇぇぇっ、お母さん何者!?」
鑑定士には、未来予知の力でもあるのだろうか。
あの時の美葉さんが、そんな事まで考えていただなんて、ただただ驚くばかりだ。
「後は、母さんの時みたいにお前が、お得意のおせっかいを発動させ、俺をほっとけずに助けようとする事も計算していたんだろうな」
……お得意のおせっかい。
その通りだから、言い返せない。
褒められてるのか、貶されてるのかわからなかった。
「それが母さんの仕組んだ運命だ」
「そう……だったんですね」
まさか私達の運命が美葉さんと出会った瞬間から始まっていたとは驚きだ。
でもやっと、知りたかった謎が解けた。
「俺が力を正しく使えるように、このペリドットの如く、俺の心に根付く闇を払い、太陽の光となりますように」
「それは……?」
「母さんがそう言っていた」
拓海先輩が私をじっと見つめてくる。
それに何故だか緊張して、口内パサパサになってきた私は、乾いた唇を舐めた。
「悔しいが、その通りになった。お前は俺の太陽だからな」
癪だと言わんばかりの顔で、拓海先輩はむせ返りそうなほど甘いセリフを放った。拓海先輩にして究極にめずらしい一言なので、想像を絶する甘い言葉に感じる。