「……お前は、いつも直球だな」
拓海先輩が私の首から下げているお母さんの形見のペンダントを持ち上げた。ジャランとチェーンが揺れる音がする。
「す、すみません」
「別に、時々イラッとする事もあるが」
「うぐっ、重ね重ねすみません」
拓海先輩はペリドットの石を見つめていた。自然と近づく距離に私は照れくさくなって、前髪を右手で撫でつける。
「でも、俺にはお前みたいな光が必要だったのかもしれない」
「え?」
「俺は、そんなお前が……っ!?」
何かを言いかけた拓海先輩は、突然息を呑んだ。そして、ペリドットの石を食い入るように見つめている。
「た、拓海先輩?」
「光が……」
「え?」
それは、私には見えない。でも、拓海先輩の瞳には、確かに映っているようだった。そして、信じられないと言わんばかりに拓海先輩は言う。
「光っている……ペリドットの石が」