「わっ、拓海先輩!?」
「そのペンダント、どこで手に入れたんだ!!」
強く肩を掴まれた。拓海先輩の指が食い込んで、私は痛みに顔をしかめる。
「落ち着きなさい、拓海くん」
「……悪い」
ポンッと深海さんの手が拓海先輩の肩に乗せられる。そこでハッとした拓海先輩は、私の顔を見ると申し訳なさそうに俯いた。
「いえ、大丈夫です……」
それでも、どうしたのか気になった私は「何か、理由があるんですか?」と尋ねる。
「それは……お前には関係ない」
だけど、返ってきたのは答えではなく拒絶だった。
──関係ないって、確かにそうだけど……。
そんな言い方しなくてもいいのにとイライラする。文句の一つでも言ってやろう、そう決めて拓海先輩の顔を見上げた瞬間、怒りが吹っ飛んだ。
拓海先輩は口を引き結び、眉をギュッと眉間に寄せ、辛そうな顔をしていたからだ。
「あ……」
まずったな、聞いちゃいけなかった事だったのかもしれない。その顔を見て、図々しく理由を聞いた自分を殴りたくなった。
「そんな顔しないでください、拓海先輩」
反省して、自分を責めたくなる気持ちを切り替えるように言った。今は言葉より行動で誠意を見せよう、そんな気持ちで。