「でもそれなら、チェーンまるごと換えた方が楽じゃない?」
壊れた部分修理するより、新しいチェーンを通した方が断然早い。
「それじゃあ、リペアの意味ない」
「え?」
「その小さな金具一つでも、思い出が詰まった大切なモノに違いないから」
「あ……」
空くんに言われて気づく。空くんは私の宝物を金具一つでさえ、大切に扱ってくれていたのだ。
「そっか……ごめんね、馬鹿な事言って。空くんの言う通りだ」
受け取ったペンダントを両手でギュッと抱き締める。新しいモノに換えればいいだなんて、私はなんて事を言ってしまったんだろうと反省した。
「これからは金具一つでも大切に扱うようにする!」
「ん」
コクンッと頷いて、空くんは小さく笑った。なんだか今日は大切な事に気付かされた気がして、前よりずっとこのペンダントが愛しくなった。
「それ……どこで手に入れた?」
すぐ傍で、声が聞こえた。
「えっ」と驚いて顔を上げれば、食い入るように私の手元を覗き込む拓海先輩が隣にいる。