「鏡がどうして割れたのか、誰の仕業なのかを知りたいんですよね?」
「何が言いたい」
お父さんは、ツカツカと目の前にやって来た私を探るような目で見る。そんな明らかな敵意を向けられても、怖いとは思わない。だって、いつもの拓海先輩のブリザード光線に比べたら全然マシだ。
「真実に辿りつけるのは拓海先輩だけです!それを、決めつけで無下にしたら、困るのはお父さんの方だと思います!」
「お父さん、来春は私の親友なの、だから私も信じて来春達を頼った」
「りぃ……」
りぃが私の隣に並んで、お父さんに言い返してくれる。そんな親友の姿に、やっぱりりぃは自慢の親友だと胸打たれた。
「文句は結果を出せなかった時に聞くから。今は何も言わないで、待っててあげてほしいの、お願い……」
頭を下げたりぃに、お父さんは少したじろいだように見えた。
「ぐっ……結果を出せるもんならやってみろ。フンッ、どうせ、口から出た出まかせなんだろう」
皮肉げに笑うお父さんにカチンッとくる。絶対に犯人を見つけて、拓海先輩の汚名を返上しなきゃと闘士が湧いた。
「絶対犯人見つけてやるんだからっ」
「おい、もういいから……」
「よくないです!!」
私を止めようとする拓海先輩に、そう叫んだ時だった。視界を過ぎる白い影。
──あれ、今お父さんの後ろに白くてモサモサした物体が……って、あれレオンだ。