「学校が終わったら、神社で食べよ」

「そうだな」


彼がやっと口角をあげてくれたから、ホッとした。

先輩たちに『殴られたいのか!』と言ったときの彼は別人だった。
殺気すら感じた。

もうあんなに怖い朝陽は見たくない。

それから朝陽は私と同じスピードで階段を上がり、教室まで送ってくれた。


朝陽と約束をしたからか、午後の二時間はあっという間だった。
彼は教室まで迎えにきてくれて、当然のように私のカバンを持ってくれる。


「腹減ったな」

「私も」


昼休みにちょっとした事件を起こした私たちは、やっぱり注目の的だったけど、朝陽と一緒ならなにも怖くなかった。


「今日は自分で上ってみる」


神社の階段を前にそう宣言すると、朝陽は心配そうな顔をする。