興奮気味の朝陽はなにも弁解することなく、そのまま先生に連れていかれてしまった。
「高瀬。生徒指導室に来い」
しばらく呆然と自分の席に座っていると、先生が私を呼びに来た。
朝陽のことだろう。
「はい」
私が立ち上がるとクラス中の視線が集まる。
でも、もうそんなことすら慣れてしまった。
生徒指導室は一階にある。
階段を一段ずつゆっくり下りていっても、前を歩く先生は気づきもせず、スタスタと歩いていってしまう。
朝陽なら支えてくれるのに……。
やっとのことで指導室に着くと、中から先生の声が聞こえてくる。
「最近の九条はどうかしてるぞ。今までのお前の生活態度に免じて、まだ推薦リストには載っている。でも、これ以上なにか問題を起こしたらかばえないぞ」
推薦リスト?