神社にはいつも人気がなかったから、昨日、朝陽が駆けつけてくれたときは驚いたけれど、また行くということは、もしかして彼もお気に入りの場所なのだろうか。
だけど、神社の階段を前にして、ケガをした足では上がることが難しいことに気がついた。
「あ……」
「『あ』ってなんだよ」
朝陽はクスクス笑うけど、まだこの足で長く急な階段を上がるのは難しそうだ。
「また、今度にする」
「いいから、ほら」
私が落胆していると、朝陽は昨日と同じように私にしゃがんで背を向ける。
「いいよ……」
昨日は仕方なかった。でも今日は……。
「今更遠慮するとか」
「するよ、そりゃ」
我慢できない子供じゃないし、ケガが治るまでお預けだ。
早紀もわかってくれる。