【つぐみへ
つぐみがこれを読んでるってことは、私は決行したのかな。
つぐみがそばにいてくれて、うれしかったよ。ありがとう。早紀】
「これ、だけ?」
もっといろんな想いが書かれているかと思っていた私は、拍子抜けした。
もっと……言えばよかったのに。
辛いとか、悲しいとか、苦しいとか、ムカつくとか……。
もっと言えば……。
「ごめんね、早紀」
彼女がそんなことを言わなくても気づいていたのに、私はなにもしてあげられなかった。
文面からして、五日目に決行していなければ回収するつもりだったのかもしれない。
あと二日、彼女を守ってあげられていたら、未来は違ったのかも……。
激しい後悔が私を襲う。
早紀は私にひとつとして弱音を吐かなかった。
でも、彼女の苦しみに気がついていたのに……私はなにもしようとしなかった。