毎朝毎朝、同じセリフを言って回っているに違いない。
少しも噛むことなくスラスラと言い切ったナースは、出ていった。
それからすぐに朝食が運ばれてきたのに、食べる気が起こらない。
あれは夢ではなかったと薄々気がついているくせに、これを食べてしまったら、夢から覚めてしまう気がした。
「つぐみ、おはよ」
母が入ってきた。
心なしかいつもより歳をとって見えるのは、目の下のクマのせいだろう。
きっと私を心配してくれたんだ。
「お父さんも心配してさっき来てくれたんだけど、つぐみがまだ寝てたから起こすのかわいそうで」
お父さんも来てくれたんだ。
「帰った?」
「今家にいる。今朝の仕事を急に予定変更したから、他の人に仕事を頼まなくちゃって電話をかけてる」