なんとなく未来を感じるその封筒がうれしくて、勝手にラブレターのようなものだと思っていた。

だけど、彼女が見ていた未来は、虹のように美しい色はしていなかった。

しかもそれを渡されたとき、『五日後に見てね』なんて意味深な言葉を口にした。
『どうして五日後?』と何度も聞いてみたものの、早紀は『いいから』としか言わず、未だ開封していない。

最初から、その五日の間に自殺を実行することを覚悟していたのだろうか。


どうしてあのとき、早紀の言うことなんて無視して開封しておかなかったんだろう。
激しい後悔が私を襲った。


「つぐみちゃん」


呆然と早紀のことを考えていると、野上先生が口を開く。


「今はつぐみちゃんの心が大事。あなたの傷が癒えるまで私がいくらでも話を聞くから、些細なことでも話して」