それからしばらく、なにも考えられなくなってしまった。
そして、私がそうなるとわかっているかのように、先生もなにもいわない。

こんなとき、人ってどうするんだっけ。


心臓というポンプが全身に血液を送るたび、ズキズキと突き刺すこめかみの痛みがいっそうひどくなり、思わず手で押さえると、先生はナースコールをしてなにやら薬剤を持ってくるように指示した。

するとすぐに看護師が薬を持ってきて、先生が点滴の管からその液体を私の体に注ぎ込んだ。


これも、夢?
それにしてはリアルで、それなのに脳が考えることを拒否してくる。


「痛み止め入れたからね。少ししたら効いてくるはず」


先生は私にそう言うと、少し困ったような顔をした。


「今日はもうこれで眠ろうか。疲れたでしょう?」


やっぱり私、眠ってないの?