でも、生きてみなければ知ることができない世界があります。
生きていてよかったと思える瞬間が来るかもしれません。

その時の精神的ダメージを、なにかでほんの少しだけ紛らわすことかできたら……もしかして生き続けることができたのではと思ってしまうんです。


それには、未来の小さな楽しみが必要です。

つぐみが朝陽に与えようとしたように、ほんのささいな約束でもいい。
そうしたら、その日までは生きてみようかと思えるかもしれない。

それを積み重ねるうちに、いつか「生きていてよかった」に出会えるんじゃないかと思います。


過去の辛い傷は、簡単には消せません。
でも、楽しい想いで隠すことはできます。

無理に消さなくたっていいんじゃないでしょうか。
その傷が、その人の優しさを作っているかもしれないのですから。




最後に作中の言葉を贈ります。

あなたはこの世界に必要な人。
これからもずっと、必要な人。



2016.07.07    佐倉伊織