彼は、罪を犯した人たちを正しい道に導きたいと、弁護士になる夢を貫くことに決めたようだ。
そしてそのために、今は苦しんでみると。


それなら私は、信じて待つだけ。

それから私たちは会わなくなった。

今は受験だけ。
それが終わればまた会える。

でも時々入るメールで、勉強が順調に進んでいることだけは知っていた。


私は相変わらず神社に通い、神様に手を合わせた。

でも、合格祈願していたわけじゃない。
『今日も無事に生きていられました。ありがとうございます』とお礼を言っていた。


それは朝陽が『合格は自分で勝ち取ってくる。神様にお願いするのは、命だけでいい。あとは自分の力でなんとかしてみる。そうじゃないと神様が疲れるだろ?』と言っていたからだ。