「高瀬か……。今、お前は関係ない。教室に……」


教頭が私を制したけれど、両親に挟まれるように立っている金子さんの目を真っ直ぐに見つめて口を開いた。


「その涙は、なんの涙?」

「えっ?」


私が尋ねると彼女は動揺している。


「私、信じてる。金子さんを、信じてる」


学校を辞めなくてはならない辛さから泣いているのではなく、早紀にしたことを後悔している涙だと。


「早紀ね、辛いことがあっても、一生懸命楽しいこと探してた。金子さんも、これからそうしてほしい」


他人を攻撃して自分を強く見せようとしたり、フラストレーションを別のことで紛らわそうとしたり……。

誰しもやってしまいそうなことだけど、それが間違っていると気がついてほしい。