「朝陽のこと、神様が応援してるんだよ。神様が、朝陽のケガが早く治りますようにって、言ってるの」
「それじゃ、頑張らないとな」
朝陽はそう言って微笑んだ。
神様と早紀が、きっと見ていてくれる。
私たちの、未来を。
その日の帰り道、スマホが鳴って電話に出ると、増田さんからだった。
『学校が認めたよ!』
興奮気味の増田さんの声が私の鼓膜を揺らした。
「もしもし」くらい言ってくれないと、びっくりする。
でも、その内容にもっと驚いた。
「どういうことですか?」
『他の生徒から続々といじめの目撃談がうちに寄せられて、一部の先生も話してくれた。しかも、名前を出しても構わないって』
おそらく森田先生だ……。
『それで、学校としては隠しきれないと判断したようで、謝罪会見を開くと言ってる』