朝陽がICUから出られたのは、それから三日後。
先生が言うには、驚異的な回復力、だそうだ。


個室に移った朝陽は、もう意識が混濁するようなこともなく、いつも笑っていた。

一日中付添いは大変だからと、私が学校から帰ってきてから夜までは、お母さんとバトンタッチすることにしている。


「ただいま」

「おかえり、つぐ」


学校から直行すると、朝陽が優しく迎えてくれる。

私は早速ベッドの横の椅子に座って話を始めた。
彼の回復を待っていたのだから、話すことはいくらでもある。


「調子はどう? 痛くない?」

「痛いさ。あちこちボロボロ」


そう言いながらも微笑む彼は、生きていることを満喫しているかのように見える。