早紀、見てる?

この教室でも、私は今ひとりじゃない。
早紀も、ひとりじゃないんだよ。


私たちが話していると、金子さんたちが教室を出ていった。


その日は、とても楽しかった。
朝陽のいない昼休みは、初めて他の女子が誘ってくれて、弁当を一緒に食べた。

その帰り、朝陽の病院に行こうと慌てて学校から駆け出すと、金子さんが追いかけてきた。


「待って」

「なに?」


少し言い方がきつくなってしまった。


「あの……岸本さんのこと、ごめんなさい。まさか死んじゃうなんて、思わなくて」


神妙な面持ちでそう口にした彼女は、少しうつむいた。でも……。


「死ななければ、やってもよかったってこと?」

「あっ、そういう訳じゃ……」


しどろもどろになる彼女は、途端に目が泳ぎだす。