「生徒が自分の人生をかけて告発しようとしてるのに黙って見てるなんて、カッコ悪くてできませんね。私も高瀬に力を貸したいと思います」

「森田先生、なに言ってるんだ! 君は部外者だ。出ていきなさい」


教頭が慌てて校長室から追い出そうとしたけれど、森田先生はそれを拒否した。


「教頭先生は、生徒になにを教えたいんですか? 大人は汚くて、ずるいということですか?」


早紀……世界が変わり始めたよ。
早紀の、おかげだよ。

今朝新聞を手にしたとき、周りに責められボロボロになることを覚悟した。
それなのに、私を応援してくれる人がいる。


「高瀬、行こう。ここでは話にならないよ」


森田先生は私を校長室から連れ出してくれた。