早紀にしたことを背負って、まっとうに生きてほしい。

罪の意識を突っついて、早紀と同じように自ら命を絶つことを望んでいるわけではない。
生きて、償ってほしい。


最初は、殺してやりたいほど憎かった。
だけど、彼女たちを死に追いやったら、いつまで経っても負の連鎖は止まらない。


『本当に高瀬さんは強いね』

「強くなんてありません。未来を信じているだけ」


朝陽と一緒に、笑顔でいられる未来を。


『また、連絡します』

「はい」



「お母さん、おはよ」


着替えてキッチンに行くと、母が青ざめた顔で私を待っていた。

心配してくれたのだと思う。
早紀のことがあってから、私は心配をかけっぱなしだ。


「つぐみ、おはよ。朝ごはん……」

「うん。食べる。今日はなに?」