「正直申し上げて重体です。この部分。腎臓が破裂していて、お腹の中で出血しています。この出血を押さえられれば……というところです。今のところ、脳に異常はありません。骨折はあちこちにありますが、ともかく腹腔内の出血をなんとかしなければ。至急、オペが必要です」

「よろしくお願いします」


両親が頭を下げる。

なにもできないこの時間は、本当にもどかしい。
でも、朝陽につけられている心電図のモニターが、彼の生存を示していて、少しだけホッとした。


それからすぐに朝陽と共にオペ室に移動することになった。


「朝陽……頑張って」


ストレッチャーに乗せられ、ピクリとも動かない朝陽に思わず声をかけると、お父さんが私を彼のそばに近寄らせてくれる。


「お願い。戻ってきて」