弁護士……。
だから朝陽も、弁護士を目指しているんだ。
でも、私のことを相談してくれていたなんてちっとも知らなかった。
「朝陽は正義感の強い子で、だからきみをかばったことは私たちの誇りだよ。だから、もう自分を責めないで」
「ありがとうございます」
それからどれくらい経ったのだろう。
ただひたすらに心の中で朝陽の無事を念じていると、処置室のドアが開き、ドクターが出てきた。
「九条さんのご家族ですか? 全ての検査が終了しました。内臓の損傷を認めましたので、緊急オペに入ります。こちらへ」
数枚のレントゲン写真を見せられながら、説明を受ける。