「警察から事故の様子は大体聞きました。歩道にいたんでしょ? きみのせいじゃないよ」
お父さんはそうなだめてくれたけど、私はうつむいて首を振った。
早紀も朝陽も……私がそばにいるから、死んでしまうの?
そういう訳ではないと頭の片隅でわかっているのに、どうしてもネガティブな思考が私を支配する。
「本当に、ごめんなさい……」
絶対に朝陽を救うと誓ったのに、まさか私のせいで彼があんなことになるなんて。
再び深く頭を下げると、父親が私の肩に手を置き持ち上げた。
そして……。
「きみ、もしかして……高瀬さん?」
「はい。高瀬つぐみです」
朝陽は両親に私の話をしていたの?
「そうか、やっぱり。私、弁護士をしていまして、朝陽がいじめに立ち向かっている女の子がいるんだけど、助けてあげられないかと相談されていたんです」