【つぐへ
つぐとの約束、守ってあげられなくてごめん。
生まれ変わって、裕一に復讐できる機会が与えられたのに、本当は苦しくてたまらなかった。
自分を殺す”親友”という仮面をかぶった裕一と言葉を交わすのも苦痛だったし、死ぬとわかっている毎日を過ごすのは、ゆっくりじわじわと首を絞められているかのようだった。
でも、そんな俺に笑うことを思い出させてくれたのはつぐだった。
つぐと過ごした時間は、夢のような時間だった。
もう憎しみ以外の感情を持つまいと思っていたのに、つぐは簡単に俺を変えてくれた。
それは多分、同じように絶望を経験したつぐが、必死に前を向こうとしていたからだと思う。
笑うのが辛いときもあったよな。
でも、つぐは決して笑うことを諦めなかった。
俺、生まれ変わるとき、この神社の神様に念を押されたことがあるんだ。
運命を変えた者には絶対に死が訪れる。
それでも生まれ変わることを選ぶのならそうしてやると。
裕一への怒りで満ちていた俺は、それをふたつ返事で承諾した。
だから、もうつぐとは一緒にいられない】