その次の日も私たちは神社に向かった。
「来週、寒気が来るらしいぜ」
「えー、カイロいるかな」
彼が来週の話をしてくれるのがうれしい。
推薦が決まったことで、"その日"の足音が近づいてきた。
でも、私はそれがいつなのか、怖くてとても聞けない。
朝陽はどうするつもりなの?
出会った頃、彼は裕一先輩に復讐して、私の前から消えるつもりだったと思う。
でも朝陽は、誰かに手を掛けて平気な顔をしていられる人じゃない。
もしかして、自分も死ぬつもりだったんじゃないかとさえ思う。
でも今は? 今もその決意は変わらない?
そんなことを考えながらじっと朝陽を見つめていると、彼が私の視線に気がつき、手を伸ばしてきた。
「えっ……」
「紅葉、ついてる」
「ありがと」
髪についた紅葉の葉を取ってくれたようだ。