「中って……」

「あ……」


思わず口が滑ってしまったせいで、彼がお守りの中身を確認し始めてしまった。


「これ、つぐの字?」

「あはは。ごめん……」


【合格】と書いただけの小さな紙を忍ばせておいた。
でも今朝早起きしてここに来て、彼の合格と続く未来をお祈りしてから入れておいた。


「手作りのお守りなんて初めてもらったなぁ」

「しょぼいプレゼントだね……」


私にしては精いっぱいの気持ちを込めたつもりだったけど、もっと使える物にすべきだったかも。


「なに言ってんだ。最高にうれしいよ」

「ホント? 気を遣ってない?」

「どうかな」


彼は頬を緩ませ笑うけど、本当に喜んでくれているのか、その目はとても優しかった。