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ちょうど一ヶ月ほど前。
その日は雨だった。


「つぐみ、この間のテスト、成績下がったらしいじゃないか」

「……うん」


久しぶりに顔を合わせた父からのお小言に、顔をしかめる。

下がったと言ったって、平均点も下がってる。
順位も五位下がっただけだ。


「もっとしっかり勉強しないと……」

「遅刻しそう。行ってきます」


父の話を途中で遮り、傘を持って家を飛び出した。

もう、ホントにうるさい。
入学してから勉強だって必死にやってきたつもり。

徐々にだけど、順位も上がってきた。
でも、毎回絶対に上げるなんて無理。


仕事が忙しくてなかなか家にいないくせして、こういうことだけ口を出すんだから。

それに今は……クラスの雰囲気が最悪で、勉強にも身が入らない。