朝陽も、楽しい?
焼きそばパンを一緒に食べるだけなのに、楽しいの?
「つぐみ、どうかした?」
「ねぇ朝陽。私と一緒にいて、楽しい?」
「楽しくなかったら、一緒にいないさ。そんなことくらいわかるだろ。バカだな、つぐは」
「バカじゃ、ないもん」
怒ったフリをしてプイッと顔をそむけたけれど、朝陽が「冗談だ。怒るなよ」と笑うから、なんだかホッとした。
彼の笑顔は作り物じゃない。
最初はクラスメイトから無視されている私を助けてくれているだけだと思っていた。
でも、朝陽は毎日笑顔を見せてくれるし、学校を離れた神社でも一緒にいてくれる。
早紀も……そうだった。
私と一緒に弁当を食べているときは、目が笑っていた。
あの日記に書かれていたことは、嘘なんかじゃない。
そう、思えた。