そして次の日。
私は早速早紀のお母さんに許可をもらい、日記帳のコピーを学校に提出した。
「いじめがなかったなんて嘘です。これが証拠です」
校長室に呼び出された私は、数人の先生に囲まれて、少しオドオドしていた。
でも、決めたから。
早紀の苦しかった胸の内を、きちんと皆に理解してもらう。
「でもねぇ、別に誰がとか書いてないよね」
「誰って……そんなの皆知ってます。皆見てたんです」
早紀を無視していたのは、クラス全員。
でも、積極的に早紀に嫌がらせをしていた五人グループがある。
無視していた他のクラスメイトは、私と同じようにその人たちのいじめの標的になりたくなくて従っていたはずだ。
「いじめの調査をしたけど、なにも出てこなかったよ」