「ホントに送っていかなくていいのか?」

「うん。また明日」


“明日”が私たちにはあるはずだ。

今日は、虹は出なかった。
でもいつか朝陽と一緒に虹を渡りたい。


私はこのままずっと一緒にいたいという気持ちを抑えて、朝陽から離れた。でも……。


「ねぇ、朝陽」


一度振り返り、大きな声を上げる。
雨のせいで冷えた空気を伝い、彼の耳に届くように。


「なに?」

「私も、守っていいかな。朝陽のこと」


無力な私が朝陽のためにできることなんて、たかが知れている。
だけど、彼にはどうしても生きていてほしい。


「おぉ、いいんじゃない?」


少し照れたような笑みを見せる朝陽は、「期待しとくよ」と返してくれた。


それから私は駆け出した。


「早紀。待っててね。今からできることは全部する」


もう遅いかもしれない。
でも、これ以上後悔したくない。

ブログラム、変更だ。