【九月十八日

お母さんに心配かけたくない。だから学校に行かなくちゃ。
でも、学力テストの結果は散々だった。もう勉強する気も起きない。
つぐみが私を心配して、いつもそばにいてくれる。調理実習の班も一緒になってくれた】


【十月二日

昨日の帰り道、待ち伏せされて、髪を切られてしまった。明日はもっと短くしてやるって。
縛ってごまかしたけど、もう限界。
でも朝、つぐみが昇降口で待っててくれてうれしかった。
ごめんね、つぐみ。私もうダメだよ】


「早紀……」


それはあの手紙をくれる前日の、最後の日記だった。

早紀の髪が短くなっていることには気がついていたけど、単に美容院に行ったものだとばかり思っていた。
こんなにひどいことまでされていたなんて、気がつかなかった。