【六月十八日
小テストの名前がいつの間にか消されていて、0点だった。
こんなことくらいで済むのなら、好きなだけやればいい。
帰り道、ずっと降っていた雨が止んで、空に虹がかかっていた。
つぐみと一緒に見た虹は、忘れられない】
これも覚えてる。
目の前に現れた虹は、今まで見た中で一番大きくてくっきりと浮かび上がっていた。
久しぶりに早紀が笑顔を見せてくれて、すごくうれしかった。
「早紀……」
一緒に虹を渡りたかったよ……。
それからの日記は、いじめの加速が記されていて、読むのもつらいほどだった。
だけど、やっと訪れた夏休みが早紀を救った。
私も、もしかしてこれを機にいじめがなくなるのではないかと期待していた。
でも、それは甘かった。