そっか……。
退学になった生徒は、二年生の先輩だったけど、休みなら制服も着ていなかっただろう。
私も会ってもわからない。
早紀の苦しい叫びが、胸にズドンと突き刺さる。
でも、その日の日記には続きがあった。
【つぐみが周りから無視され始めた私を盛んに心配してくれる。
私に話しかけたりしたら、つぐみも無視されるかもしれないのに】
「早紀……」
私のことなんて気にしなくてもよかったのに。
私はなにもできなかったのに。
じわじわと涙が滲んできて、文字がかすむ。
【五月十三日
ふたりが学校を去った。私は地獄だ】
「早紀……」
ふたりの退職と退学が決まった日から、早紀への風当たりは強くなった。
それは、自分の株を上げるためにふたりを犠牲にしたと誰かが言い出したからだ。