「おばさん……」

「学校なんて行かせるんじゃなかった。私が早紀を殺しちゃったの」

「そんなことないです。絶対にそんなこと……」


必死に首を振ったけど、おばさんは苦しげな顔をして唇を噛みしめる。


「ありがとう、つぐみちゃん。早紀ね、つぐみちゃんがいてくれて幸せだったと思う。これに、つぐみちゃんのことがいっぱい書いてあるのよ」


こらえきれなくなったのだろう。
涙をこぼし始めたおばさんは、私に日記帳を差し出した。

その淡いピンクのノートは、あの封筒と同じように、かわいらしかった早紀のイメージにぴったりだった。


「ここで読んでいく? それとも、持って帰る?」


そう聞かれて、私は持って帰ることにした。
なんとなくひとりで読みたかった。