その週の日曜日、早紀の母親から電話があった。
『つぐみちゃん、早紀の日記が見つかったの』
「なにが書いてあったんですか?」
私に宛てた手紙には、【ありがとう】としか書いていなかった早紀。
彼女が日記には本心を書いているのではないかと思うと、鼓動が速まる。
なんの証拠もなくいじめを証明できなくて泣き寝入りになっているけど、もしかして、と思ったのだ。
『よかったら、読みに来ない?』
「行きます」
私は家を飛び出した。
「おばさん、ご無沙汰しています」
朝陽と放課後の時間を共にするようになってから、早紀の家に来たのは初めてだった。
「こんにちは。やっぱりつぐみちゃんの言っている通りだった。早紀は……」
おばさんはそこまで言うと、もうすでに真っ赤に染まっていた目を固く閉じてうつむいてしまう。
やはりいじめについて書いてあるんだ。