整った顔立ちだとは思っていたけれど、あの晩気付いたのは彼の瞳が格別に美しいということだった。
琥珀色なのだと思っていた。日本人にしては色素が薄いなと。
しかし、彼の目は抱き合うほど近くで見るとイエローの濃いグリーンなのだ。
ものすごく印象的で、魅力的な瞳だ。
そんな彼の瞳は邪眼だ。見るだけで心をくじかれそうになる。
私の脳内には彼に征服された記憶が残っている。
「一度相手をしたら終わり……そのはずでしょう」
昼日中に情事の話をするのはためらわれた。でも、しないわけにはいかない。
幸いにもテーブル同士の隙間が広く、また私たちの席が最奥の壁に沿った二人掛けということもあり、会話が聞かれる恐れは少ない。
「半分はそう思ってました。でも、もう半分でこうなる可能性も考えていました」
まるで、自分の責任ではないと言わんばかりだ。
葦原くんはそのグリーンの瞳を細くゆがめ、言った。
「一度抱いたら、もう一度抱きたくなるんじゃないかって」
「なに、その勝手な言い分」
ひざの上で握ったこぶしが震える。
なんなんだろう、この男。
私は一回きりの我慢だと思ったから、身体を明け渡したのに。
琥珀色なのだと思っていた。日本人にしては色素が薄いなと。
しかし、彼の目は抱き合うほど近くで見るとイエローの濃いグリーンなのだ。
ものすごく印象的で、魅力的な瞳だ。
そんな彼の瞳は邪眼だ。見るだけで心をくじかれそうになる。
私の脳内には彼に征服された記憶が残っている。
「一度相手をしたら終わり……そのはずでしょう」
昼日中に情事の話をするのはためらわれた。でも、しないわけにはいかない。
幸いにもテーブル同士の隙間が広く、また私たちの席が最奥の壁に沿った二人掛けということもあり、会話が聞かれる恐れは少ない。
「半分はそう思ってました。でも、もう半分でこうなる可能性も考えていました」
まるで、自分の責任ではないと言わんばかりだ。
葦原くんはそのグリーンの瞳を細くゆがめ、言った。
「一度抱いたら、もう一度抱きたくなるんじゃないかって」
「なに、その勝手な言い分」
ひざの上で握ったこぶしが震える。
なんなんだろう、この男。
私は一回きりの我慢だと思ったから、身体を明け渡したのに。