「これは夢?……一体、どういうことですか」


「あなたのこと、探してたの。……少し外で話さない?」


彼はまだ半信半疑といった風に頷くと、携帯電話で同僚を呼び出している。
留守番を頼むつもりらしい。

私は先に事務所のドアを開けた。








「もう夏だね」


ふたりで代々木公園をぶらぶらと歩く。
太陽は中点に差し掛かり、私は帽子を被ってこなかったことを後悔した。

話したいことは、お互いきっとある。しかし、何から話せばいいか、皆目見当がつかないのも事実。
それでもこうして並んで歩くと、ともに過ごした日々が昨日のことのようだった。


「あれからどうしてたの?」


「まあ、色々です」


私の質問に葦原くんがごまかすような反応を見せたのは一瞬。
実際はすでに吹っ切れているのだろう、彼は思い直したように語り出す。