「いえ、関係あります。沙都子さんはあなたのストーカー行為に困っていますし、俺も結婚を考えている女性の不安を放置しておけません」
私は葦原くんの言葉に違和感を覚えた。
そうだ。未來さんの結婚式の二次会、知らない男性ふたりを追っ払った時と一緒だ。
葦原くんは相手を丸め込めるスキルを持っていながら、それを発揮していない。
単純に相手に嫌悪を見せている。
兄相手にどう好かれるつもりなんだろうとは思ったけれど、葦原くんはそこに拘泥していないようだ。
「俺は沙都子の兄だ。ストーカーには当たらないな」
「充分ストーカーですよ。しつこくメールや電話を繰り返し、家の近所をうろつき、平日の真昼間に会社近くで張り込んでいるなんて。真っ当な大人のすることとは思えません」
「さっきから聞いていれば、言いたい放題だな。きみが出張る理由はないと言っているだろう」
「ある、とこちらは答えています。沙都子さんに野卑な下心で近づかないでください。彼女は身も心も、もう俺のものですから」
挑発的な葦原くんの言葉に兄がこぶしを固めるのが見えた。
私は葦原くんの言葉に違和感を覚えた。
そうだ。未來さんの結婚式の二次会、知らない男性ふたりを追っ払った時と一緒だ。
葦原くんは相手を丸め込めるスキルを持っていながら、それを発揮していない。
単純に相手に嫌悪を見せている。
兄相手にどう好かれるつもりなんだろうとは思ったけれど、葦原くんはそこに拘泥していないようだ。
「俺は沙都子の兄だ。ストーカーには当たらないな」
「充分ストーカーですよ。しつこくメールや電話を繰り返し、家の近所をうろつき、平日の真昼間に会社近くで張り込んでいるなんて。真っ当な大人のすることとは思えません」
「さっきから聞いていれば、言いたい放題だな。きみが出張る理由はないと言っているだろう」
「ある、とこちらは答えています。沙都子さんに野卑な下心で近づかないでください。彼女は身も心も、もう俺のものですから」
挑発的な葦原くんの言葉に兄がこぶしを固めるのが見えた。