……まだ寝ぼけてんの? 「先生、ふざけている場合じゃないんです。とりあえず見てください」 梨花の死体を見れば、先生の目も覚めるはず。 カギを開けると、扉を開いた。 「ほら、ピアノの横に……」 中に入りながら言う言葉は途中でとぎれる。 一瞬、思考回路が中断された。 「どこにいるんだ?」 ゆっくりした足取りであたりを見回す山本先生。 さっきまでピアノの横にあった梨花の死体がない。