血って、もっと赤いものだと思っていたのに実際は黒に近い色をしているんだ……。

徐々にその血の描く形が大きくなってゆく。

「り、梨花?」

声をかけるけれど、梨花が絶命しているのは明らかだった。

微動だにしないその顔を見つめていると、ようやく思い出せる。


吉沢梨花をこんな姿にしたのは……あたしだ。


「あたしが殺したんだ……」




その声は、もう梨花には届かない。