「あーっ、飲んだ飲んだ! 酔っ払ったー」



駅に向かって歩きながら、ユカが満足げに叫ぶ。



「レイラの誕生日なのに、あたしが一番楽しんだ気がするわー。なんかごめんねー?」


「そんなことないよ。私も楽しかったし、しかもおごりだし。ごちそうさまでした」



私は少し気まずい思いをしながらルイに目を向ける。



「ルイも、ありがとね。でも、大学生にお金出してもらうとか、申し訳ないなあ」



「そんなの気にしないで、レイラさん。俺がやりたくてやったことなんですから!

っていうか、レイラさんこそ、付き合ってくれてありがとうございました。

レイラさんとこんなにゆっくり喋れたの初めてで、すごく嬉しかったです」



「またまた、そんな可愛いこと言っちゃって。ルイってば本当に年上キラーだよね」



茶化すように返したのに、ルイの顔は真剣だった。


私はまた、いたたまれないような気分になる。



………そんな目で見ないでよ。


唇を噛んで、俯く。




「あたし地下鉄だから、こっちなんだー。じゃあねー、レイラ、ルイ!」



ユカがそう言って地下への階段を降りていってしまったので、私とルイは二人きりで取り残されることになってしまった。