「なんの話?」



ユカが横に来て訊ねる。


ルイが事情を話すと、

「ルイ、やっさしー」

とユカが茶化すように言った。



ルイはきまり悪そうに頬を微かに赤らめる。



「もう、ユカ。いくら年下の男の子が可愛いからって、からかっちゃだめでしょ」



諭すように私が言うと、ユカは楽しそうにあははと笑った。



「でもさ、マジで手伝ってもらったら? レイラはレジ閉めしなきゃいけないんだし、ルイに片付けとかやってもらえるだけで、だいぶ早く帰れるでしょ」


「でも、シフトに入ってないんだから、お金出ないんだよ? だめでしょ、そんなの」


「俺は全然かまいません」



ルイがきっぱりと言い切った。


ユカも同意するように何度も頷く。



「だってさ、レイラ今日、誕生日でしょ? そういう日くらい、周りに甘えなよ」



私はびっくりしてユカを見つめた。



「え? なんで知ってるの? 私の誕生日………」


「前に教えてくれたじゃん。あたしの誕生日にプレゼントくれたからさ、レイラのも教えてって」



そういえばそんなこともあった、と半年以上前のことを思い出す。