私を柔らかく捉えて離さない、ルイの両腕。


その檻の中は、とても心地よくて、私はぬるま湯に浸かっているようにとろりと目を閉じたくたる。



ルイを好きにならないはずがない。



だって、私は―――


ルイに抱きしめられて初めて、自分が冷えきっていたことを知った。


ルイが寄り添ってくれて初めて、自分が寂しかったことを知った。


ルイの優しさをもらって初めて、自分が優しさに飢えていたことを知った。



一人きりでいつづける孤独を知ってしまったから、私はもう、一人には戻れない。


私は、ルイと離れるのが怖い。


ルイが私から離れてしまうのが怖い。



本当はルイに傍にいてほしい。



「俺のこと好きなんでしょう? 早く認めてください。そしたら俺は、絶対にレイラさんを離しません……」



私の心を読んだかのように、そして追い討ちをかけるように、ルイが耳許で囁いた。


優しい声が私の鼓膜を揺らす。



「………でも、私は、そんなにルイに甘えていいの?」



訊ねた声は、泣きそうに震えてしまった。


ルイがくすりと笑う。



「甘えてください………むしろ、全然足りないくらいなので。

もっと俺に甘えて、すがりついて、傍にいてって言ってください。

そしたら俺は、レイラさんが嫌って言うまで傍にいますよ」