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ルイが私を連れて足を踏み入れたのは、私の住む町から電車で一駅ぶん離れた場所にある、小さな神社だった。
「こんな近くに神社なんてあったんだ………知らなかった」
石づくりの鳥居を見上げて呟くと、ルイが「でしょ」と得意気に答えた。
「前、たまたま見つけたんです。レイラさんと初詣したいなあと思って、どこにしようかって考えたんですけど」
「うん………」
「レイラさんって人が多いところは苦手だろうなと思って、ここならまあ、そんなごちゃごちゃすることもなさそうだったから、ここにしました」
確かに、私はあまり人混みが得意ではない。
そんなことまで気づかれていたのかと驚きながら、私は「ありがと」と呟いた。
「どういたしまして。入りましょうか」
「うん」
きっと普段はほとんど参拝客もいないような神社なんだろうけど、正月ということもあって、境内には10人ほどの姿が見えた。
近所に住んでいるらしい老夫婦や、小さな子ども連れの家族。
眺めているだけでも微笑ましい光景だ。
初詣の人々が列をなして殺到するような有名で大きな神社では、きっとこんなふうにのんびりと参拝することはできなかっただろう。