「お前は、口ではそんなことを言ってるが、本当は俺から愛されたいと思ってるだろう?

俺の特別になりたいと思ってるだろう?


俺には分かってるんだよ。

だから、お前はもう用無しだ。もう要らない。

お前は邪魔なんだよ」



これ以上ないくらいに残酷で無情な言葉が、矢継ぎ早に降ってくる。


私はそれを黙って受けつづけた。



心が麻痺して、なにも感じなくなっているのかもしれない。


私の世界は今、愛しい鼓動と甘い声に満たされていた。



でも、現実は、絶望的に残酷だ。



私は今、リヒトに捨てられようとしている。


私の神から見離されようとしている。



それを失えば、もう生きていけないのに。



「………どうして急にそんなこと言い出したの?」



私は無意識に問いを口に出していた。



私がリヒトの特別になりたいと思っていたのは、7年前、出会った瞬間からだった。


それなのに、どうして今さら?