「店の雰囲気が見たくて偵察に来て、いい店だなってすごく気に入って。それで、スタッフさんはどんな人かなって観察してたんです。人間関係も大事だと思ったし」
「そうだね」
「そのとき働いてたのは、キッチンがレイラさん、ホールがソウタでした」
ソウタというのは、ルイが入ってしばらくした頃に辞めてしまった学生アルバイトだった。
懐かしいな。
ルイより二つ年下だったけど同じ学生で、でも、ルイとは違ってあまり真面目な子ではなかった。
ちょっとした遅刻や急な休みが多かったり、仕事も手を抜くことがあったり、ミサトさんが手を焼かされていた。
「しばらくしたら、ソウタがお客の女の子たちに声をかけて、話しはじめたんです。俺は、まじかよ、って思いました。だって、店はけっこう他のお客さんがいたから」
ルイが嫌そうに眉根を寄せて言う。
ソウタがいたころは全然気づかなかったけど、ルイは彼にたいしてあんまりいい印象を持っていたかったのかもしれない。
「でも、さすがに客の俺が口出しするわけにもいかないし、どうしようと思ってたら、そこにレイラさんが現れたんです」
「え?」
全然覚えていなかった。
「そうだね」
「そのとき働いてたのは、キッチンがレイラさん、ホールがソウタでした」
ソウタというのは、ルイが入ってしばらくした頃に辞めてしまった学生アルバイトだった。
懐かしいな。
ルイより二つ年下だったけど同じ学生で、でも、ルイとは違ってあまり真面目な子ではなかった。
ちょっとした遅刻や急な休みが多かったり、仕事も手を抜くことがあったり、ミサトさんが手を焼かされていた。
「しばらくしたら、ソウタがお客の女の子たちに声をかけて、話しはじめたんです。俺は、まじかよ、って思いました。だって、店はけっこう他のお客さんがいたから」
ルイが嫌そうに眉根を寄せて言う。
ソウタがいたころは全然気づかなかったけど、ルイは彼にたいしてあんまりいい印象を持っていたかったのかもしれない。
「でも、さすがに客の俺が口出しするわけにもいかないし、どうしようと思ってたら、そこにレイラさんが現れたんです」
「え?」
全然覚えていなかった。