私は同じテーブルに座っていた人たち(もちろんリヒトを除いて)と話していて、そのうち自己紹介の順番が回ってきた。
森です、と名乗ると、なんで名字だけ?と笑われた。
私は自分の名前があまり好きではなくて、友だちにも名字で呼んでもらっていたのだ。
それでも先輩からしつこく下の名前を訊かれたので、しかたなく小さな声で、
『玲羅です』
と答えた。
みんなが一瞬目を丸くして、それから、
『れいら? 珍しいね』
『なんか外国人みたい』
『どんな字?』
『かわいい名前だね』
などと、気をつかうように言ってきた。
確かに玲羅というのは一般的にかわいいと思われる名前だろうけど、
それが自分には似合っていないことはよく分かっていたから、いつものことながら恥ずかしくて、私は俯いた。
そのとき、ふと、隣から送られてくる射すような眼差しに気がついた。
反射的に目を向けると、さっきまでは誰とも目を合わさなかった男が、じっと私を見ていた。
どきりと心臓が跳ねた。
あまりにもまっすぐで、きれいな瞳に、目を奪われた。
森です、と名乗ると、なんで名字だけ?と笑われた。
私は自分の名前があまり好きではなくて、友だちにも名字で呼んでもらっていたのだ。
それでも先輩からしつこく下の名前を訊かれたので、しかたなく小さな声で、
『玲羅です』
と答えた。
みんなが一瞬目を丸くして、それから、
『れいら? 珍しいね』
『なんか外国人みたい』
『どんな字?』
『かわいい名前だね』
などと、気をつかうように言ってきた。
確かに玲羅というのは一般的にかわいいと思われる名前だろうけど、
それが自分には似合っていないことはよく分かっていたから、いつものことながら恥ずかしくて、私は俯いた。
そのとき、ふと、隣から送られてくる射すような眼差しに気がついた。
反射的に目を向けると、さっきまでは誰とも目を合わさなかった男が、じっと私を見ていた。
どきりと心臓が跳ねた。
あまりにもまっすぐで、きれいな瞳に、目を奪われた。