大丈夫って、一体何のことなんだろう?
どっちかといえば、あたしが椿くんを殴ってしまったのだから、椿くんを心配するのが筋なんじゃないのか。


「えっと……どういうこと?」


あたしが聞き返すと、スミレは何故か顔を真っ赤にして、芹香はあたしの耳に口を寄せた。



「椿くんから聞いたよ!
なずなの胸に蚊が止まったからって、触ってきたんでしょ!?」



……は?


「ん?えっと?椿くんがそう……言ってたの?」


全く予想にしていなかった言葉が、芹香の口から飛び出してきたので、あたしは目を丸くしてしまった。


「そ、そうなの。『蚊が止まってるから退治しようと思って胸掴んだら、顔真っ赤にしてしばかれた』って……。失礼しちゃうよね、椿くんってば。なずなちゃんの、だ、大事なお胸を……」


言い慣れない単語に恥ずかしがりながらも、スミレがあたしの質問に答えてくれた。


というか、お、お胸って、何なのスミレのその言い方は。