もし、彩芽も雪くんと同じように、あたしを裏切ったことを後悔していて、あたしのことを今でも考えていてくれていたら……。


いや、でもだって、あの日彩芽は確かに、あたしのことを嫌いだと言った。
そんな彩芽が、雪くんみたいにあたしを今でも友達だなんて思ってくれているわけがない。


でも、もし蘭に無理やり言わされていたのだとしたら……。


今までは、信じていた人に裏切られたというショックで考えもしなかったけど、彩芽にも事情があってあんなことを言ってしまったのだとしたら。



『あの、なずなちゃんっ!私……』



学校へ行く途中で、久しぶりに彩芽と会ったあの日。


彩芽は、あの言葉の続きをなんて言うつもりだったんだろう……。


人違いだなんてあしらわず、聞いてあげればよかったのかな。


もう一度、彩芽はあたしの友達だと今でも思ってくれてるって、信じてみてもいいのかな。